ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を第1番から聴き始めました

昨日新宿のタワーレコードで購入したショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲(audite、CD5枚組)を、第1番から聴き始めました。演奏は、Mandelring 弦楽四重奏団です。

 

まずは第1番。少しも重くならず、軽快なテンポでサクサクと音楽が進んで行きます。軽やかな曲ですが、一度聴いたら忘れることは出来ないでしょう。これはショスタコーヴィチ全般に言えることですが、上辺は軽妙でも、音楽の密度は濃いです。交響曲然り、ピアノ協奏曲然り。

 

続いて第2番。第1番より、伸びやかでしっとりとした曲に聴こえます。おどけた感じは影を潜めます。やはり、弦楽四重奏曲は、ショスタコーヴィチであっても、嘘のない「魂の声」なのですね。この「重さ」が耐えられない、と言う方もいらっしゃるようですが、私は弦楽四重奏曲に強く惹かれます。

 

弦楽四重奏曲ベートーヴェンによって「芸術作品」として完成したと言われています。そして、もう誰もベートーヴェンを超えることは出来ないと言われていたのですが、バルトークがこのジャンルでベートーヴェンの次に偉業を成し遂げました。そして、もう誰もバルトークを超えることは出来ない、と言われていましたが、ショスタコーヴィチが偉業を成し遂げたのです。まさに、「記録は破られるためにある」と言う感があります。

 

CDは第4番を奏で始めました。第2番よりも更に伸びやかでメロディアスな曲です。深みもあります。作曲者の強かさを感じます。似通った4つの弦の音で音楽を作らなければいけない。その禁欲的な「縛り」が、弦楽四重奏曲と言う曲種を至高の音楽に高めているのかも知れません。第4番では、そのことが既に実現しているように感じます。