温故知新、ピエール・ブーレーズのこと

先日、職場のある立川駅前のブックオフで、ピエール・ブーレーズのCDをみつけました。「レポン」と「二重の影の対話」が収録されており、たまたま「てんや」で天丼を食べて帰ろうと思って持っていた750円をそのまま投じ、そのCDを買ったのでした。

ブーレーズが強烈過ぎて、彼と同時代の指揮者は皆霞んでしまいましたが、私などが改めて言うまでもなく、例えばクラウディオ・アバドなどは大指揮者だと思います。それが皆、霞んでしまったのです。是非、再評価されるべきではないでしょうか。

などと偉そうなことを書いていますが、ここ3日程、ろくなものを食べていません。給料日前で、金欠なのです……。

それはさておき、ブーレーズのCDですが、今聴いてみると、端正で、どこか懐かしい感じがします。別の言い方をすれば、聴きやすいのです。音も電子音響処理されていてまろやかです。不思議なものですね。

当然のことですが、ブーレーズが作曲した音楽には彼独特のオリジナリティがあり、そのために聴きやすいのだと思います。どういうことかと言うと、個性があるので、曲が引き締まり、整理されているのです。だから聴きやすいのです。彼が提唱した「管理された偶然性」によって、ブーレーズの音楽は長時間の命を得たのですね。つまり前衛音楽が古典になった。ブーレーズ「作曲」の音楽は、「クラシック」として、これから長く愛されるのだと思います。

と言うわけで、明日は待ちに待った給料日。まずは食べそこねた天丼を食べに、てんやに向かおうと考えている次第です。