こころを生き返らせる力

昨日、ボロボロの状態で出勤して、使わせて頂いている個室に転がり込んだとき、真っ先に私がしたこと、それはブルックナーを聴くことでした。

気力が尽きて、こころも弾力を失い、もう何もかもがどうしようもなくなったときでも、ブルックナーを聴いていると、不思議と私は持ち直すのです。

相性? それもあるかも知れません。しかし、ブルックナーの音楽が持つ、「こころを生き返らせる力」は、相性の問題だけではとても説明出来ないように、私には思えるのです。

昨日、最悪の状態にあるとき、私はブルックナーの第7交響曲を聴きました。これは、40歳を過ぎて作曲に手を染めたブルックナーが、作曲家として初めて世に認められた、記念すべき交響曲です。

一番最初に聴いたマーラーを私は覚えていませんが、初めて聴いたブルックナーなら、今でもはっきりと記憶しています。フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮、シャンゼリゼ管弦楽団演奏の、交響曲第7番です。

私の感想に過ぎませんが、この7番は、形式もすっきりと整っていて、気を衒わず、派手なところもなく、まるで澄んだ水が岸辺に何度も打ち寄せるのをいつまでも眺めているような、そんな安らぎを覚える曲なのです。