ブルックナーについて、あらためて語ります

このブログはマーラーについてのものです、と言っておきながら、実はブルックナーが好き……。しかもバルトークにもかなり惹かれている。

 

私のブログは、結局「雑記ブログ」になっています。

 

まあ、キツい思いをして延々とマーラーについて書き続けるよりも、時折べつの作曲家の話を織り混ぜたり、あるいは全く音楽以外の話題をお伝えする方が、つまり私の興味のあることについてその時々に書き綴る方が、読んでくださる皆さんにも楽しんで頂けるでしょうし、結局私も長く書くことが出来るのだと思います。何しろ、ここは“frogrief's diary”であって、「マーラー・ブログ」ではないのですから。

 

ただ、私はそれほど器用ではありませんから、やはり中心となる話題は、自分が最も関心のある音楽家について、だと思います。つい先程も、ブルックナーの第4交響曲をしみじみと聴いていました(既にマーラーではありませんね。実は左遷されて誰もいない部屋にいるのですが、大量にCDを持ち込んでいるお陰で、音楽をパソコンで聴いているのです。これではきっと「上」も、どうしたらいいのか分からないでしょう。いい気味です)。

 

折角ですから、ブルックナーのお話をしましょう。

 

ダニエル・バレンボイムは、ブルックナーに「取り憑かれている」指揮者です。彼には立派な「ブルックナー全集」が3点(ベルリン・フィルシカゴ交響楽団ベルリン国立歌劇場管弦楽団)あり、Blue-rayでもブルックナーを振り、更に最近ではインディーズ・レーベルを立ち上げてまでして、最新の「ブルックナー全集」を録音しています。ブルックナーの音楽には、そこまで人を惹き付ける力があるのです。私もブルックナーの魅力に「取り憑かれて」いますから、バレンボイムの気持ちはよく解ります。

 

ブルックナーは、かなり特殊な作曲家だと私は思います。バッハやモーツァルトについての本は沢山ありますが、ブルックナーの本は、なぜか殆どありません。また、おおきな書店で音楽史の本を紐解くとき、ブルックナーの記述を探すのですが、索引にブルックナーの名前が見つかる本のほうが稀です。ブルックナーワーグナーを崇拝していたのは有名なエピソードですが、作曲技法の面で影響を受けてはいません。音楽史に名前が浮かび上がって来ないブルックナーは、誰の影響も受けず、誰にも影響を与えないまま去っていったのです。(最近、ある本の中で「シューベルトの影響を受けている」と書かれたくだりを読み、かなり驚きました。)

 

あの、息の長い、とても長い旋律には、「オルガン性」があると言われています。しかし、ブルックナー以外に「オルガン性」のある音楽を書いた作曲家はいないのです。

 

ブルックナーの音楽には「手放しの美しさがある」と、私の友人は言いました。全くそのとおりだと思います。危険な言い方かも知れませんが、マーラーよりも、バルトークよりも、ブルックナーの音楽は純粋で美しいのです。たとえすべての交響曲が、「金太郎飴」であるにしても。